「もう1つの街」という話。

1月15日(金)~29日(金)までの2週間、

久茂地リバー沿いにありますたそかれ珈琲さんで、

言葉の展示、

「暮らす、綴る、繰り返す。」

をさせていただいています。

日々の生活で感じた事を10+αの物語にのせて展示しています。

このブログ上で、

展示している物語に副音声的解説を加えて、

1日1話づつ紹介していこうと思っています。

 

今日はその第11弾です。

(以下、展示しているお話です)

 

「もう1つの街」

 

AM 未明

 

あっちの世界では今日も色々なことがあったよ。

もっと隅々まで観察して、色々な人の行動を報告しなきゃいけないけど、

この仕事をはじめたばかりで慣れていないし、

それに僕はまだ子どもだから大目にみてもらおう。

 

そうだ、

あなたやあなたの子供もいつかこういう仕事をするかもしれないから、

大切なことを教えておくね。

本当はこの仕事をしていることを誰かに教えちゃいけないんだけど、

今回は特別に。

 

箱に取り付けられている小さな窓は勢いよく動かさないこと。

急にたくさんの光が入ると、みんなパニックになっちゃうからね。

閉める時も同じ。急に真っ暗にしちゃうのもダメなんだ。

 

あと、持ち運ぶ時は絶対に傾けたり、倒したりしないこと。

大事に扱わないと、

水があふれたり、建物が倒れたりして、

修復するのにとても長い時間とお金がかかってしまって大変だからね。

 

最後にもう1つだけ。

たとえあなたがこの仕事についたとしても油断しないこと。

この仕事をしていると、

自分が神様になったような錯覚を起こすことがある。

でもよく考えてみて。

僕があっちの世界を観察しているってことは、

僕がいるこの世界も誰かに観察されている可能性があるってことだろ。

自分が世界を操っているように見えて、

この世界の中では僕も操られている側かもしれない。

 

だからこの仕事についた人はみんな最初にこう教えられる。

 

物事がうまくいっているときこそ、

主導権がどこにあるか確認しておけ。

ってね。

 

さぁ、明日は別の街の観察をすることにしよう。

 

(以上、展示しているお話です)

 

心の中で思っていたことや頭の中で考えていたことが現実になるってこと、

たまにありません??

あの人に会いたいなーと思っていたら、

偶然その人に出会うことができた、

みたいな、

運命みたいなこと。

神様からのプレゼントみたいなこと。

 

そーやって物事がうまく進むと、

誰かがそのように仕向けているんじゃないかと思う。

この世界を遥か上空から観察していて、

自分たちが寝ている間に催眠をかけたり、

気が付かない程度に街並みを変えたりして、

物事がそっちの方向にしか進まないような環境をつくりだしているんじゃないかと。

 

そんなことを思って綴ったのが、この物語です。

 

自分の身の回りのことがうまく流れているとき、

それはもしかしたら誰かのおかげかもしれない。

自分が努力してるからだもんねー、

と調子にのるのではなく、

周りにも目を向け、

客観的な視線で自分を見つめなおすことも大事だなーと思う。

(そんなことを気にせず、とにかく突き進んでみたい、とも時々思うけど)

物事がうまく進んでいるときにこそ、

それをしっかりやっていこーと、

僕は思っている。 

 

最後まで目を通していただきありがとうございます。

 

展示12日目終了でございます。