「タラ、カモ、レバー」という話。
1月15日(金)~29日(金)までの2週間、
久茂地リバー沿いにありますたそかれ珈琲さんで、
言葉の展示、
「暮らす、綴る、繰り返す。」
をさせていただいています。
日々の生活で感じた事を10+αの物語にのせて展示しています。
このブログ上で、
展示している物語に副音声的解説を加えて、
1日1話づつ紹介していました。
そして昨日、
展示している11話の解説がすべて終了いたしました。
(やったぜー)
さて、展示期間は今日を含めあと3日。
最終日までブログのネタがないじゃない・・・
とは言いません。
たそかれ珈琲さんには展示していない物語を1つつくったので、
以下に紹介します。
では、第12弾の物語です。
(以下、ブログ限定のお話です)
「タラ、カモ、レバー」
AM 1:02
玄関にはジョギングシューズが1足。
いつもの珈琲屋さんで妻と待ち合わせをした。
仕事が思っていたよりも長引いてしまったため、予定時刻より遅くなってしまった。
慌ててソファー席に座り、足を組んだその時、
勢いあまってテーブルの脚を蹴飛ばしてしまい、カップが倒れた。
なので、正確には、
玄関にはこぼれた珈琲が染み込んだジョギングシューズが1足。
お気に入りの青いシューズも、部分的に茶色く染まっている。
この街を離れるということは2年ほど前から頭の片隅にあった。
「住みたいから」という理由で引っ越してきたこの街を、
こんなにも満喫しているのは、川沿いにあるいつもの珈琲屋のおかげだろう。
小さい頃、自宅から友達の家まで海水パンツのまま移動していた僕には、
あれが川だということが未だに受け入れられないのだが。
もし珈琲屋がなかったら、
僕はもっと早く、この街を離れていたかもしれない。
いや、ずっとダラダラとこの街に居続けていたかもしれない。
玄関にはこぼれた珈琲が染み込んだ履き慣れたジョギングシューズが1足。
明日はこの街を走り抜けるのではなく、
のんびりと見下ろしてみようと思う。
今朝挨拶を交わした彼がやっていたように。
明日の朝はもうすぐそこ。
旅立ちの朝ももうすぐそこ。
(以上、ブログ限定のお話です)
最後まで目を通していただきありがとうございます。
展示13日目終了でございます。