「日課」という話。
1月15日(金)~29日(金)までの2週間、
久茂地リバー沿いにありますたそかれ珈琲さんで、
言葉の展示、
「暮らす、綴る、繰り返す。」
をさせていただいています。
日々の生活で感じた事を10+αの物語にのせて展示しています。
このブログ上で、
展示している物語に副音声的解説を加えて、
1日1話づつ紹介していこうと思っています。
今日はその第4弾です。
(以下、展示しているお話です)
「日課」
AM 9:30
「いつも色々なところに出かけて楽しそうですね」と最近よく言われる。
確かに毎日楽しく過ごしているので、
それを褒めてもらえるのは嬉しいことだけど、
少しだけ反論したい気持ちもある。
私が休日を楽しく過ごす方法の1つに、
いつもの日課を少しだけ崩す、
というのがある。
例えば、
「掃除をしてから買い物に出かける」というのを、
「買い物を済ませてから掃除をする」というふうに。
たったこれだけで、
いつも暖かい外の空気がとても冷たく感じたり、
いつも工事の音で騒々しい道路で鳥のさえずりが聞こえたり、
いつも水で隠れているマングローブの根が顔を出していたり、
いつもパンの香りのする店内でフルーツの香りを感じとれたり。
「いつも」の中に必要なモノや大切なモノはすでに存在していて、
色々なところに出かけなくたって、
それを発見して楽しむことはできると思う。
そうそう、
今日は仕事に出かけた旦那のタンブラーの中身を、
いつもと違うものにしてみたんだよね。
お昼ご飯の時、どんなリアクションをするだろうかと、
そんなことを想像して過ごす。
それだけで、
私の休日は楽しいのである。
(以上、展示しているお話です)
沖縄に移住してから、
「いつも色々なところに出かけてて楽しそうだね」
って本当によく言われるようになりました。
移住して間もない頃、
実際は1年くらいはそうだったかもしれないけど、
行ってみたいお店、見てみたい景色などを、
旅行雑誌やネットの情報から見つけて、
休日のたびに足を運んでみる、なんていう生活をしていました。
内地出身の僕にとって、
沖縄で毎日を過ごすということは、
非日常的というか、スペシャル感があって、
せっかく沖縄に居るんだからそれらしいことしなきゃ、
っていう変な力の入れ方をしていたんだと思います。
沖縄での生活に徐々に慣れ、
一般的に紹介されている観光スポットにはだいたい足を運んだ頃、
そろそろ次は離島に行ってみようかと計画をたてていたのですが、
そんなにたくさん休みがあるわけでもないし、
暮らすためには遊んでばっかりいるわけにもいかないし、
といった理由でなかなかそれが実現できなくて。
そんな時、本文に書いたようなことを思いついたんですよね。
そーだ、
どこにも行けないなら、毎日の生活を楽しめばいいじゃねーか、と。
そんなふーに思ってから、
なんだか少しだけ余裕をもって周囲が見渡せるようになって、
色々なことを発見できるようになりました。
その多くが、発見というには大袈裟なことばかりかもしれないけど、
雑誌やネットの見出しにばかりくいついていた僕にとっては、
とても大事な刺激だったのです。
沖縄という土地が僕にとってスペシャルな環境であることは変わりない。
だけど、移住前、移住直後と、今とでは、確実に見え方が変化している。
それは、
憧れの土地が生活する場所になってしまったから、
というネガティブなものではなく、
外から見ていたモノの中に自分も少し溶け込んできているから、
というポジティブ なものとして捉え、
これからもこーいう生活スタイルを続けていこーと自分自身で確かめながら、
この物語を綴ったのでした。
この女性はタンブラーの中身を何にしたんだろうねーと、
妄想を膨らませながら読んでいただけたら嬉しーです。
最後まで目を通していただきありがとうございます。
展示5日目終了でございます。